「ご査収の程宜しくお願いします」と言う言葉を見たことがありますか?
ビジネスメールなどで使われている言葉ですが、意味や正しい使い方が分からないと言う方も多いのではないでしょうか。
今回は「ご査収の程宜しくお願いします」の意味や使い方をご紹介します。
今更人に聞けず、分からないままになっていた方は是非ご覧ください。
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「ご査収の程宜しくお願いします」とはどんな意味?
「査収(さしゅう)」とは、その漢字の通り、「審査」して「収める」と言う意味があります。
清の時代の中国で使われていた漢語で、後に日本にも広まりました。
何か添付ファイルのあるメールを送った時、メールの締めくくりにこう記すと「この資料を良く確認して、お受け取りください」という意味になります。
単に「宜しくお願いします」「資料をご覧ください」と書くよりも、「しっかりチェックしてから収めて下さい」と言う意味合いが強くなります。
大切な内容の場合、しっかり確認して欲しい旨を明記しておけばトラブル回避にも繋がります。
「ご査収の程宜しくお願いします」の正しい使い方、間違った使い方
意味がなんとなく分かっても、正しい使い方に自信がない方も多いと思います。
【確認して欲しいものがある時に使う】
確認して欲しいと言う意味なので、確認すべき物がない時は当然使えません。
何も添付ファイルがないのに、メールの締めくくりの「宜しくお願いします」の代わりとして安易に使うのは間違いです。
受け取った側はファイルの添付忘れでもあるのかと誤解してしまいます。
【未確認の物のみに使う】
「査収」と言う言葉の性質上、相手が既に確認している物に対して使うのは間違いです。
例えば、一度相手に確認して貰って修正した物を送る時などは使えません。
修正箇所をしっかり確認して欲しいと言う気持ちから使いたくなりますが、それは間違った使用法です。
その他、相手と話し合ったことを纏めた書類など、内容を相手も知っている場合も使うことが出来ません。
【動作を表す言葉なので、用法に注意】
「査収」は動作を表す言葉です。
その事を知らないと使い方を間違ってしまいます。
・ご査収の程宜しくお願いします
・宜しくご査収ください
・ご査収願います
・どうぞご査収してくださいませ
この中には使い方のおかしな文がありますが、気付きましたか?
「査収」と言う言葉だと分かりにくいので、動作を表す他の言葉に変えてみましょう。
今回は「理解」に変換してみます。
・ご理解の程宜しくお願いします
・宜しくご理解ください
・ご理解願います
・どうぞご理解してくださいませ
こうしてみると、2番目と4番目は使い方が間違っているのが分かります。
文章を作っていて使用法に不安がある時は、このように置き換えてみると間違いを見つけやすくなります。
「ご査収の程宜しくお願いします」を若い世代はあまり使わない?別の言い方は?
「査収」は、少し固く古めかしい言葉と取られることも多いようです。
職種や社内の風土にもよりますが、若い世代ではあまり使わない人も増えています。
他の文章で同じ意味を伝えたい場合は、どのようにしたら良いのでしょうか。
・内容を良くご確認の上、お納めください
・こちらをご検討の程、宜しくお願いします
このように言い換えることが出来ます。
相手が「査収」の意味を知らない可能性がある場合などは、言い換えた表現の方がこちらの意図が伝わりやすい場合もあります。
その時に応じて使い分けると良いでしょう。
いかがでしたか?
使い慣れると便利な言葉ではありますが、重要な意味を持つからこそ、使い方を間違うと大変な言葉でもあります。
正しい意味と使い方を知り、ビジネスシーンで是非使ってみてください。